喫茶



カフェのドアを開ければ珈琲豆を模ったロゴが現れる。
窓もなく、飾りもない地下。
火傷しそうなくらい熱いミルクティーが冷めるまで
私はこうして文を書かなければならない。


生きていけるような気もするけど
全く生きていけないような気もする。

もうあの人とはだめかもしれない。
会ったところで元通りになどならない。
昔のときめきはいつの間にどこへ行ってしまったのだろう。

相変わらず、生きることに憂鬱だ。
好きな店に出向いても心が晴れるわけでもなし。
私は廃人に成り下がる。
否、元々人だったのだろうか。

どうして私はこうして生きているのだろう。
美味しい物を食べたいという欲求も
楽しい場所に行きたいという欲求も
何もかもぼやんとしている。

きっと何かを変えたくて外に出る。学校で人と接する。
それでも何も変わらなくて愕然とする。

ミルクティーはいい具合に冷めている。


冷めている。











もっと生きることを考えるべきだったんだ。